よっち
保育士6年目
担当クラス:やまのこ組 (3歳児)
Q.コロナ禍2年目となり、いつまで続くのか先が見えない状況ですが、保育の現場でコロナ前と変わった点はありますか?
一番に感じているのは、保護者と協力し合って、子どもの成長を見守ることが、難しくなったということです。
Q.確かに、園内滞在も短時間を求められ、必要最低限の会話という現況ですね。何か手立ては考えましたか?
A4サイズの新聞を作ろうと思いました。
作ろうと思った理由は次の3つからです。
ひとつめは、自分が初めて担当する3歳児という姿を理解するため。
客観的に自分の保育や子ども達の姿を文字化して、整理していくことで、より理解を深めていくため。
ふたつめは、クラスの保護者に知ってほしい。
また、それだけでなく、保育園全体(他クラス保護者、職員、給食室、技師、事務など)に発信し、子どもの姿に驚き、成長を喜び合いたい。
みっつめは、新聞の記事から、保護者や職員などと話をしたり、いろんな話に広げ、良好なコミュニケーションをとれるツールとして活用したい。
(コミュニケーションは男性保育士の悩み)
Q.新聞を作ってみて、どうでしたか?
保護者との繋がりが深くなったという実感はあまり無いのですが、お迎えの時に「新聞読みました」という反応があったり、手紙などで返信があったりした時は、やっていてよかったと思います。
クラス以外の保護者や職員からの反応もあると、共感し合えた喜びを感じ、保育士という仕事にやりがいを感じます。
また、一方的な発信にならないようには気をつけ、お迎えの際に保護者の方と話もするのですが、3密を防ぐためにも長くなりすぎないようにとの思いに板挟み状態で少し心苦しく感じます。
Q.今後、どうしていきたいですか?
コロナと隣り合わせという中で、子どもの成長にとって大切なことを削ぎ落さずに、どんな保育ができるのか。
「保育」という大きなテーマを子ども達と一緒に生活していく中で、今後も追及していきたいです。
また、コロナ禍で保育施設の必要性がより伝わったかと思いますが、「ただ預ける場所」としてではなく、「子どもの命と成長を守る場所」として伝えられるようにしていきたいです。
あずあず
保育士2年目
担当クラス:おひさま組 (0歳児)
Q.保育士になって何年目ですか?
2年目です。
Q.朝市センター保育園に入職した理由は?
見学に来た時に、子ども達がとても元気にリズム(リズム運動)をしていて、引き付けられました。きみこ先生(園長)やよしこさん(主任)から園の話を聞いた時、とても温かみのある園だなと思ったのも決め手でした。
Q.現在0歳児クラスの担当ですが、働いてみてどうでしたか?
初めての0歳児担当で初めは分からないことだらけでした。
でも、(子どもたちと)一緒に過ごす中で、小さな成長とか変化を見つけることができて、とても勉強になりました。
人見知りしていた子が、抱っこで安心して初めて泣きやんでくれた時は、本当に嬉しかったです。
どうやって生きていくための土台ができていくのかも学べた気がします。
Q. 「生きていくための土台」というと、具体的にはどんなところからそう思いましたか?
最初はみんな一人で遊んでいたのに、段々と「対子ども」「対大人」になっていって、こうやって人との関わりも広がっていくんだな、と思いました。
遊びでもカップを持って遊ぶことが、実際におやつの時などにお茶を飲むことにつながったり、砂場でのスコップを使う動きが、スプーンを持って食べることにつながっていたり…。
遊びと生活って本当につながっているんだな、とすごく勉強になりました。
Q. これから何歳児を担当してみたいですか?その理由は?
2歳児を担当してみたいです。
お話とか、自分のこともできるようになってくると思うので、会話しながら散歩に行ったり、一緒に生活してみたいです。
ゆきべえ
保育士歴23年
担当クラス:そらのこ組 (5歳児)
Q.ゆきべえが保育士になろうと思ったのはなぜですか?
最初のきっかけは、進路を決める時期に、大学の保育科の履修科目が自分のやりたかった内容と一致していたため、保育科に進学したことです。
ただ、大学在学中は幼稚園や保育園ではなく音楽教室みたいなところで幼児教育に携われればと考える程度でした。
もともとすごく子ども好きだったとか、子どもと遊ぶことが上手であるという自覚をもっていたわけではなかったので、なぜ今この仕事をしているのか自分でも本当に謎...(笑)
Q.実際に保育士の仕事に就いてみて初めてわかったこと、気づいたことはありましたか?
保育園というと子どもと相対する仕事ですので、世間的には“優しい"女性が子どもと狭義の意味で「遊んでいる」というイメージををもたれそうですが、実際は『子どもをひとりのにんげん』として見つめる仕事だと感じます。
姿かたちは確かにかわいい子どもたちですが、子ども騙しは通用しませんので、大人が子どもと本気で向き合うことが求められます。
子どもは大人にとって都合のよいかわいい側面だけを持っているわけではないので、そうでない部分もしっかり向き合って、その背景は何か探りつつ、自分の小さい人間性をつきつけられています(汗)。子どもの心の内を見つめていけるようにこころがけています。
Q.では、朝市センター保育園の魅力はなんでしょうか?
あえて言葉で表すと難しいですが、強いて言うなら“パイオニア精神を忘れないところ”でしょうかね。
保育士の感性を信じて自由に任せてもえる保育園です。
例えば、保育方針やクラスの取組みなどでは、子ども第一・子ども中心が前提であれば、“こうせねばならない”という枠組みを押し付けられることはありません。
その分保育士の力量が試されますが、子どもたちを真ん中に考え、子どもたちを楽しませたい、子どもたちにたくさんの体験をさせたいという強い思いから、その時できることは最大限何でもやってきました。
特に認可園になる前は、今より保育環境も労働環境も充足しておらず、正に無い無いづくしの環境でしたが、それでも子どもたちとより多くの体験ができるよう保育士ひとりひとりが知恵を絞り、協力し合い、さまざまな事を行ってきました。
面白いエピソードとしては、そらのこ組(年長児、年中児)担任時代に、合宿の中で虹マスの掴み取りを行ったのですが、それを合宿だけの一回で終わらせたくなかったので、通常の保育の中で、子どもたちと秋刀魚を捌いてツミレにして食べたり、次は別の食べ方を味わおうと一夜干しに挑戦したことも。
ある時は屋上に大根を干して切り干し大根づくりにチャレンジ。その時は干した大根が風に飛ばされて量が減っちゃったり、ぬか床をかきまぜてタクアンをつくったことも。
さらに印象的な思い出は、冬の厳しい寒さの中で温かい食べ物に食らいつくことで、“生きること”の原点に触れるような経験がしたいと、鶏一羽を丸ごと焼いてみんなで寒空の中ほおばったこともありました。
そういう取り組みに対してもダメとは一言もいわれませんでした。
このような伝説はいくらでも出てきます。それは、子どもに何を伝えたいかというのを突き詰めていくと、型にはまった保育はできなくなるからだと思います。
できないとことがあれば、何で出来ないのか、なぜ制限されるのか、何ならできるのかを常に考えながら、日々保育を考えています。
Q.なかなかできない体験ですね。“保育”というより“人間の暮らし”を体現するような。
そのようなダイナミックなことは、今現在はなかなか出来にくくなってきていますが、子どもたちのために何をしようかを考え、出来ることは取り入れていきたいと考えてます。なかなかそれを許してくれる園はないのではと思います。
Q.保育園児時代に体験したことが、卒園して成長しても、いつまでもどこかに息づいているように感じる瞬間があるのですが、この話を聞くと余計に納得しますね。
では、保育士の仕事について大変と感じる点はどういうこところですか?
体力勝負の仕事という点がひとつ。子どもたちと一緒にパワフルに動きますから。でも体力は寝て食べてなんとか体調管理できます。もう1点は、勤務時間が終わったらスイッチOFFになる職業ではないところでしょうかね。仕事以外の時間でも保育園の子どものこと、保育のことを考えていたり、プライベートの時間に目にするものを保育に結び付けてしまうことがほとんどです。自分は、24時間365日保育士でいると実感します。それを負担に感じてしまうと辛いかもしれないですが、その習慣を楽しむことができれば幸せかもしれません。
Q.朝市センター保育園に向いているなあという保育士像はどんな人ですか?
そうですねぇ、基本人間が好きな人、自分の素を出せる人のほうが向いているかもしれません。
自分の良い面もそうでない面も表出しちゃう仕事だと思いますので、構えたり、肩肘はったりせずにありのままで人と接することができれば良いと思います。
ぜひ、子どもを真ん中に、いっしょに歩いていきましょう。